2003-11-23 (日)

(カテゴリ[素敵な言い回し]の文書の一覧表示) Samuel Ullmann - YOUTH

青春とは人生の或る期間を言うのではなく心の様相を言うのだ。優れた創造力、逞しき意志、炎ゆる情熱、怯懦を却ける勇猛心、安易を振り捨てる冒険心、こう言う様相を青春と言うのだ。年を重ねただけで人は老いない。理想を失う時に初めて老いがくる。歳月は皮膚のしわを増すが情熱を失う時に精神はしぼむ。苦悶や、狐疑、不安、恐怖、失望、こう言うものこそ恰も長年月の如く人を老いさせ、精気ある魂をも芥に帰せしめてしまう。年は七十であろうと十六であろうと、その胸中に抱き得るものは何か。曰く「驚異への愛慕心」空にひらめく星晨、その輝きにも似たる事物や思想の対する欽迎、事に處する剛毅な挑戦、小児の如く求めて止まぬ探求心、人生への歓喜と興味。

人は信念と共に若く 疑惑と共に老ゆる
人は自信と共に若く 恐怖と共に老ゆる
希望ある限り若く 失望と共に老い朽ちる

大地より、神より、人より、美と喜悦、勇気と壮大そして偉力と霊感を受ける限り、人の若さは失われない。これらの霊感が絶え、悲歎の白雪が人の心の奥までも蔽いつくし、皮肉の厚氷がこれを固くとざすに至ればこの時にこそ人は全く老いて、神の憐れみを乞う他はなくなる。

サミエル・ウルマン「青春」(岡田義夫 訳・強調部は引用者による)

(カテゴリ[国語]の文書の一覧表示) 「柔よく剛を制す」

「よく」とは「することができる」という意味の「能く」であって、頻度の意味ではない。

(カテゴリ[国語]の文書の一覧表示) (カテゴリ[表現]の文書の一覧表示) (カテゴリ[ウェブ]の文書の一覧表示) 何語で書くか・話すか

  1. 英語の方が日本語よりも使用者が多い
  2. 自分の考えをより多くの人に知ってもらいたいのであれば
  3. 日本語でなく英語を用いて文書を書くべきである

という無茶苦茶な意見に触れた。思想的・倫理的にもどうかと思うけれども、まずは技術的な側面から反論というか確認をしたい。

英語で書いたところで、文字コード指定が日本語であれば――大半の環境で特に意識をしなければ JIS・Shift_JIS・EUC-JP のいずれかが自動的に指定されるだろう――、そのページの言語は表示できない可能性がある云々というダイアログボックスが表示される。言語パックのインストールを問われることになる。これをしなくても、いわゆる半角英数字は文字コードに関わらず読み取れるけれども、ダイアログボックスの表現を字面通り解釈する人間の方が遥かに多いと推測する。文字コードを確認したうえで英語を用いなければ、それは英語使用者にも日本語使用者にも読まれない文書である。本末転倒である。

次に、倫理的・文化的な面から反論する。

あなたのお値段鑑定します 」の作者として有名な坂口億彦氏のオンラインエッセイ『 琵琶法師(2003-11-23 時点でデッドリンク) 』の第7話「英語の巻」より一部を引用する。

上智大生でなくとも、入試における上智大学の英語の難しさは周知の事実であろう。そして上智大学が国際社会を生き抜く学生を育成しようという方針を持っているのも校風から容易に想像がつく。そのイメージのためか、上智大生はだいたい英語がしゃべれると思っている者も多い。まず上智大学のホームページのトップページは英語で書かれている(1997当時の話ね)。そして左上にひっそりと日本語ページへのリンクが貼られている。いったい誰のために作ったページなんだ?学内向けなのか?だったら入試案内とかが掲載されているのはおかしい。英語を母国語のように受け入れられなければ上智大生の資格無しという厳しい仕打ちである。いや、ただの上智大学のくだらない見栄なのかもしれない。学生には確かに英語を駆使するやつが多い。1年留学すれば帰国子女であり、それを強調したがるヤツもいる。飲み会で突然英語で話し出すバカ者は、日本国民とは認めずに大好きな米国へ強制送還してやりたい。

坂口億彦『琵琶法師』より第7話「英語の巻」(抜粋・強調部は坂口氏による)

極論ではある(坂口氏も予め「言いたい放題」「書きなぐった」と断っている)けれど、私の中にもこういう思い――「強制送還してやりたい」――がある。必然性のない英語を私は嫌う。相手が日本人だと分かっていて英語を使用するのはどう考えても奇妙である。地球規模での使用者の多少を根拠として、使用言語の適不適を論じるのは、あまりに現実離れしている。本当にその言語を愛するならば、実際にその言語が使用されている土地に行くべきである。それが言語と、人類の文化に対する礼儀である。私は日本語という言語に満足している。気が変わったら留学なり何なりして勉強をする。重ねる。中途半端な気持ちで外国語を使用するのは、失礼である。

なお、上に引いた坂口氏の文章は、その前半部において、ユーザビリティの観点からも重要な指摘をしているものであることを付け加えておく。

そもそも、より多くの人に自分の考えを知ってもらいたいのであれば、W3C がどういう集団であるかくらい知っておくべきだろうに。自然言語の文法は根の深い問題なのでここでは立ち入らないけれど、人工言語の文法は遵守すべきだと断言する(というか、遵守されていない場合はエラーを返すべきで、(バックグラウンドでの)エラー訂正機能は人間の怠慢を招くだけだ)。「Internet Explorer で問題なく表示できる」ことと「正しい」ことは完全に無関係である点に注意しなければならない。

(カテゴリ[表現]の文書の一覧表示) (カテゴリ[ウェブ]の文書の一覧表示) 高輝度・高解像度・半透明・ぼかし

ウェブやテレビなどの視覚メディアで大流行の手法だ。度が過ぎると眼への負担がひどい。

(カテゴリ[素敵な言い回し]の文書の一覧表示) 「人は、たったひとことで、しあわせになれる。」

NTT ドコモ関西の TVCM より。当たり前のことであり、よく言われることだけれども、やはり言い回しとしてこれは素敵である。同時に人は、たったひと言で不幸にもなってしまう。たったひと言が人を深く傷つける。責任と優しさのある言葉を用いたい。

(カテゴリ[日常]の文書の一覧表示) (カテゴリ[表現]の文書の一覧表示) 「正しい」は必ずしも絶対的でない

「正しい」とは「規則通りである」「法則として常に通用する」という意味である。しかし、「邪でない」「きちんとしている」という意味もある。「正しい」の対義語が「間違っている」でない場合があることを知っておくべきだ。「端正」などにおける「正」が、どのような意味で用いられているかは明らかである。

(カテゴリ[素敵な言い回し]の文書の一覧表示) 「できないことはしない」

中学校のときの運動会の、運動会への意気込みを述べる寄せ書き風の掲示物にあった言葉。謙虚な姿勢である。しかも中学生である。

(カテゴリ[素敵な言い回し]の文書の一覧表示) 野依先生の講演の覚書

2003年11月22日土曜、近畿大学にて「『21世紀 COE プログラム』2年連続選定記念シンポジウム」が開催された。野依良治先生(2001年ノーベル化学賞受賞者)が基調講演をなさった。大変感銘を受ける講演だったので忘れないうちに書き付けておく。

正確にメモを取ることに努めたけれども、一部で記憶に頼っている部分もある。およそ時系列に沿っている。講演は約1時間。強調部分は実際に先生が語気を強められた箇所。

  • 痩せたソクラテスを育てることが重要です。
    • そのためには、知性と瑞々しい感性が必要です。
  • 化学は美しく、面白く、そして人類社会に貢献する。
    • 観察と理解にとどまらず、無から有を創造することができます。
  • 原子の厳密な結合順序があります。いい加減なものではないんです。
  • 理念は大事ですが観念的ではだめです。具体的な指針が必要です。
  • 中高生が知るような大学の先生がほとんどいないことは、日本にとってたいへん不幸なことです。
    • 憧れと感動が、志をたてて前に進む原動力です。
  • 自然科学の研究=問題+解答。
    • 問題に対する答えを追うのはやめた方がいい。これはだめです。
    • 問題を自分で作ることをおすすめします。
  • 文化の要素。上のものほど多様性が増します。これを軽視することは文化の衰退を意味します。
    • 言語
    • 情緒(感性)
    • 論理(理性)
    • 科学
  • 言語っていうのはただ会話するだけじゃないんです。
  • 理科・文科に分けるのはもっての外です。これは亡国への道です。
  • 科学的なものの考え方は絶対に必要です。
  • 様々な困難を経験すること、自分の足で歩くことが大切です。
  • 世界とはどういうものか、自分で考えてみてください。
  • (社交も大事だという文脈で)ワインがなければ、今日の私はいなかったでしょう。ワインが私を助けてくれました。
  • (Bauhausの例を出して)「機能は美なり」と言います。よく機能するものは美しく、美しいものはよく機能します。
  • 20世紀は軍事と経済の競争時代で、これは破滅への道です。
  • 21世紀は「人間性への回帰」に向けた協調を。
    • 真っ当な社会観・世界観・人間観をもってください。
  • 現代は矛盾内蔵型の社会である。そして個(人・学校・官庁・国)が責任を回避している。
  • 論理の積み重ねだけでは大きな発見はできません。
    • 偶然があって初めて発見に至ります。それには文化の力が必要です。
  • (メビウスの帯の例を出して)ことをグローバルに考えてください。
  • (ノーベル賞を受賞して逆に困ったことはありますか、という質問に答えて)時間が足りなくなりました。
    • 今は若い人を励ますことに時間を使っています。
  • (日本の世界に誇れる素晴らしい文化を)次の世代へ継いでいっていただきたいと思います。

2003年11月22日、近畿大学での野依良治先生の講演より

素敵なお話であった。優れた文化人でもある方だと思った。感激した。

一つだけ補足。野依先生のおっしゃった「ことをグローバルに考えてください」というのは、「英語を使いなさい」ということではない。国際化を直ちに英語と直結したがる思想が蔓延している感があるので補足しておく。英語を信奉するのは結構だけれども日本語を軽視しないでもらいたい。それは亡国への道であると先生もおっしゃっている。そして、初心の者が二つの矢を持とうとすると、ろくな結果にならないのだ。

(カテゴリ[素敵な言い回し]の文書の一覧表示) 「上手な人からは教わらなきゃいけない。…」

上手な人からは教わらなきゃいけない。そこにはもう年齢なんかないんです。

山下博氏(アーチェリー選手・アテネ五輪代表・41歳)

周囲を見回すと、私よりも優れた後輩はいくらでもいる。年齢の上であぐらをかいていてはいけない。



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