2004-01-23 (金)

(カテゴリ[素敵な言い回し]の文書の一覧表示) 「5%って0.5ですよね?」

某コンピュータ店のレジ店員。レジが混んでいて電卓で会計をしなければならず、足し算を終えた次の瞬間、客である私に訊いてきた。消費税を足さなければならないことには気付いたが、惜しい。

補足。per-cent 、cent は「100」の意味。「100 ごとに」というのが percent 。

(カテゴリ[素敵な言い回し]の文書の一覧表示) 「夢を夢と思わないことが現実につながる」

TV 番組「メントレ」より TOKIO 松岡の発言。ダイエーの井口が、「プロ入りを考えたのはいつ頃ですか」との質問に対して「中学生の頃ですね。だけど、なりたいとかじゃなくて、なるもんだと思ってました」と答えたことに対するもの。

(カテゴリ[素敵な言い回し]の文書の一覧表示) 「才能は笑たら潰されんねん」

笑福亭鶴瓶。松島尚美が、金原ひとみの芥川賞受賞作『蛇にピアス』の冒頭を、村上龍が褒めたことを紹介し、「お前やったらどう書く?」と鶴瓶に促されて、「ほんの出来心だった。」と言い、客席に笑いが起こったことを受けて、松島を擁護したもの。

上の文、主語と述語が離れすぎ。

(カテゴリ[国語]の文書の一覧表示) (カテゴリ[日常]の文書の一覧表示) 伊勢物語「東下り」覚書

『伊勢物語』に、「東下り」と呼ばれる段が数段ある。特に有名なものが第九段、三河八橋で「かきつばた」の歌を詠む段だ。この段の冒頭、

昔、男ありけり。その男、身をえうなきものに思ひなして、京にはあらじ、東の方に住むべき国求めにとて、行きけり。もとより友とする人、ひとりふたりして行きけり。道知れる人もなくて、まどひ行きけり。三河の国、八橋といふ所にいたりぬ。

『伊勢物語』より

この、「身をえうなきものに思ひなして」の「えう」が気になった。上に引いた部分は、通例次のように解釈されている。私も、高校のころに、次のように教わった。

「昔、男がいた。男はわが身を、ここ(都)では用のない者なのだと思って、都にはいるまい、東の方へ行こう、と、旅に出た。付き合いのある友人数名とともに旅に出た。誰一人道を知らないので、迷いながらの旅であった。三河の国の、八橋という所に着いた。」

この解釈では、「えう」を「用」と解している。今日ふと思い出した。「用」に「えう」の読みはない。近い意味で「えう」という字音が与えられているのは「要」だ。「よう」としている写本もあるけれど、「えう」とする本が一般的であるし、少なくとも、「えう」と表記しながら「用」という漢字を充てるのは不適当だと思う。

「要なき者」と解した場合、次のような読み方ができる。

「昔、男がいた。男は自分の心に、よりどころとなるものがないように感じて、自分の心の支えとなってくれるものは京ではなく、どこか遠い所、東の国の方にあるのではないか、と思い、旅に出た。同じような思いを感じている人数名とともに、旅に出た。目の前がはっきりと見えていない心持ちの者ばかりで、不安の多い旅であった。三河の国の、八橋という所に着いた。」

「政治的不遇からの逃避・厭世」という見方も合理的だと思うけれど、あるいは「えう」が掛詞で、同時に「自己喪失感からの脱却・世界観の拡大」という要素も動機に含まれていると思う。こう考えると、この段の根底にある主題は「みやび」ではなく、「わび・さび」に発展する前の段階である「侘しさ・寂しさ」ではないかと思えてくる。極めて繊細で近代的な精神を、「男」は持っていたのではないかと推察する。

(カテゴリ[表現]の文書の一覧表示) (カテゴリ[国語]の文書の一覧表示) 大和言葉で書く

この国に昔からあることばだけで綴れないだろうかと思った。やまとことばのもつ優しさを活かしたい。自らのものも含めて、周りのことばを見回すと、あまりに難しいことば遣いが多い。背伸びをして硬いことばを使っても、そうそう格が上がるわけではない。むしろ、何を言いたいのかがぼやける。要はありのまま、「誠」、「真言」。頭に浮かんだことばをそのまま遣えばよい。形だけ整えても、すぐに見破られる。誠、誠だ。

和語を極力用いた文章を書けないだろうかと思った。和語特有の優美・柔和を活用したい。自分のものも含めて、周囲の文言を見回すと、難解な漢語が過剰に用いられている。虚勢を張って硬質な文体にしても、期待するほど文言の与える印象は改善しない。却って、主旨が不明瞭化する。肝要なのは、発想した思考を忠実に言語化することだ。体裁だけ整形しても、本質を察知されるのに時間はかからない。誠、誠だ。

後者の方が説得力があると感じてしまうなら、毒されている。ただし、和語「だけ」というのはさすがに極端な話で、必要な箇所に必要な和語・漢語を使い分けたい。漢語のもつ緊張感・明瞭性・限定性、これらの特徴も、有効に使えばよい。漢語に傾き過ぎると、逆に頭の悪そうな文章になる。



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