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互いに身を寄せ合おうとして、傷つけ合い、そして、それでもなお身を寄せずにはいられない、二匹の小動物の様なシンジとミサトの二人を描く。EVA が全く活躍しないエピソードであるが、そのテーマを考えれば実に『エヴァンゲリオン』的なエピソードであるとも言える。
絵コンテの甚目喜一とは、『美少女戦士セーラームーン』等で知られる佐藤順一。これは彼がロボットアニメの絵コンテを担当した際に使うペンネームなのだ。この後も、彼は『エヴァンゲリオン』で戦闘シーンのほとんど無い、ドラマ中心のエピソードを手がけることになる。薩川昭夫は実写映画『屋根裏の散歩者』等を手がけた脚本家。GAINAX ファンは『ふしぎの海のナディア』での凝ったフィルム編集の仕事も忘れられない。この第参話、第四話でも、彼の練り込んだ台詞を堪能することができる。
ミサトの布団の脇に置いてある。NERV のロゴマーク入りである。秘密の組織の割にネルフにはこういった製品が多い。
正式名称は第3新東京市第7環状線。第3新東京市は中央に兵装ビル等の建つ新市街があり、その周囲を旧市街が取り囲む、というのが概ねの形である。この環状線は旧市街を走っており、その半径は、現在の東京・山手線くらいと思われる。一本のレールの上を走るリニアモーターカーだが、意外と振動も騒音もある。
シンジが入ったオールナイト興行の映画館でかかっていた映画は、セカンドインパクトをモデルにしたパニック映画。かなりクラシックなタイプの作品である様だ。
シンジが入った映画館の看板。フレームアウトしているが、「世界沈没……」「セカンドインパクト」等のタイトルを読み取る事が出来る。パニック映画特集だったのだろう。
歩くシンジの向こう側に見える湖は芦ノ湖である。大抵の子供の家出が、親が連れ戻してくれる範囲をウロウロするように、家出したシンジもミサトのもとから遠く離れはしない。
シンジが山から見下ろしている都市は第3新東京市。遠くに建っている細長い建物は、集光ビル。
車は14式大型移動指揮車。同じ車両が第六話にも登場する。この回想は第3の使徒との戦いの直後の事である。
第四話の英文サブタイトルは「Hedgehog's Dilemma」。ヤマアラシのジレンマは正確な英文表記では「Porcupine Dilemma」であるから、これは直訳ではない。Hedgehog はハリネズミの事。さて、わざわざ「ハリネズミのジレンマ」という英文サブタイトルをつけたのは何故なのだろうか。ヤマアラシとハリネズミでは、ヤマアラシの方が棘が堅くて(青山注:「硬くて」の誤植か)長い。
ケンスケの台詞。第壱話以来、蝉の鳴き声があちこちのシーンで聞こえている。第参話の解説でも触れた様に、本作では、日本に四季が無く一年中、夏である。蝉の声がいつも聞こえるのは、生態系の変化と常夏の環境の両方の為なのだろう。
ネルフ内の薄暗い部屋で再会するシンジとミサト。第三者から見れば、シンジの家出はミサトを含む周囲の状況に「甘える」為の行為である。このシーンでミサトはシンジを「大人として」叱ればよかったのかもしれない。だが、ミサトは感情をむき出し、彼を拒絶してしまった。シンジの「家出」とミサトの「拒絶」が、「ヤマアラシのジレンマ」で言うところの棘なのである。
美術デザイン上のモデルは、小田急線の箱根湯本駅。現在の箱根湯本駅が位置する地域は『エヴァンゲリオン』の世界では水没してしまっている。
黒服の男たちに相応しい黒塗りの自動車。屋根に大きく NERV と書かれている。なかなか大胆である。
シンジがトウジを殴った後、遠くから演歌が聞こえてくる。駅前商店街が流しているものと思われる。曲は、奥井雅美の歌う「Bay side love story -from Tokyo-」。アルバム「GYUU」に収録された曲だ。
リニア式小田急ロマンスカー。画面では見えないが、展望席等もついている。民間人は乗る事ができない列車だが、シンジはこれに乗って第3新東京市を離れるはずだった。
アルビーヌ ルノー A310 。第壱話、第弐話で登場したのは、同じ型の車を電気自動車に改造したものだが、ここに登場しているのは、改造していないガソリン車である。ハンドルも左ハンドルのまま、排気音も聞こえる。彼女はカーマニアでクラシックカー(つまり、現代の自動車)を何台も所有しているのだ。現代においてもマニアックな車であるアルビーヌ ルノー A310 も二台持っており、その片方を改造したのである。
ほぼ50秒、ホームにいるシンジと、路上のミサトは、身動き一つ、台詞一つなく見つめ合う。大胆な演出である。また、このシーンにも奥井雅美のヴォーカル曲が流れている。前述のアルバム「GYUU」に収録されている「FACE」である。
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